スタークラフト年代記 21話 ・ 皇帝の放送を乗っ取る日
この物語の目次
原作の出来事をもとに新たに書き下ろしたファン二次創作小説です。登場人物の感情や台詞、場面の雰囲気は再構成されており、主要な結末を含みます。
メンスクの宣伝と独裁に立ち向かい、証拠を探すレイナー遊撃隊

ハイペリオンの艦橋は冷たい静寂に包まれていた。ジム・レイナーは画面いっぱいに映し出されたアークチュラス・メンスクの傲慢な顔を睨みつけながら、顎をさすった。宇宙を欺く独裁者の演説が毎日のように電波に乗る現実は、彼にひどい無力感を抱かせた。レイナーの古びた戦闘服の上に、青いホログラムの光が揺らめいていた。
マット・ホーナーが硬い表情で近づき、データ・パッドを差し出した。亡者の港で悪名高いハッカー、オーランとの激しい紛争の末にようやく確保した、タソニスの旧連合副官の解読データだった。ホーナーの声には興奮と緊張が滲んでいた。それはメンスクの帝国を根底から揺るがすことができる決定的な武器だったからだ。
副官のメモリ内には、かつてタソニスで起きた恐ろしい真実が収められていた。メンスクがサイオニック放出器を設置し、数十億人の市民をザーグの餌食として投げ与えた命令音声だった。機械的な再生音の中でメンスクの冷酷な指示が流れるたびに、艦橋の空気はさらに重くなっていった。
レイナーは拳を固く握りしめた。あの日タソニスに一人残されなければならなかったサラ・ケリガンの悲鳴が、再び耳元で響くかのようだった。罪悪感と怒りが入り混じった感情が、彼の胸を鋭くえぐった。虐殺の証拠を手に入れたにもかかわらず、過去の取り返しのつかない喪失感が少しでも癒やされることはなかった。
ホーナーは、このデータをテラン自治領全土に放送してこそ、メンスクの偽りの英雄気取りを終わらせることができると強調した。しかし、自治領の言論統制網は鉄壁であり、一般的なハッキングでは周波数を掌握することはできなかった。惑星コーハルの中心部にあるUNN放送局本社の送信塔を直接叩き、データを上書きしなければならなかった。
問題はコーハルの防衛線だった。自治領の心臓部に小規模な遊撃隊が潜入して放送網を奪取するのは、自殺行為に等しかった。ホーナーは、ヴァルハラ基地で極秘裏に開発中である自治領の次世代巨大兵器「オーディン」を奪取するという大胆な作戦を提案した。オーディンの火力があれば、コーハルの防壁を突破することができた。
作戦の核心は、見つからずにオーディンに接近し、操縦席を掌握することだった。巨大で破壊的な兵器の扱いに長け、敵陣の真っ位置でも容赦なく暴れ回ることができる人物が必要だった。レイナーは黙って通信機を手に取り、艦の隅に引きこもっていた旧友を呼び出した。
タイカス・フィンドレーが独特の荒々しい足取りで艦橋に現れ、シガーをくわえた。レイナーは彼に、ヴァルハラ基地に潜入してオーディンを盗み出すという任務を下した。タイカスは、巨大なおもちゃを奪って暴れ回ることができるという事実にニヤリと笑い、頷いた。自治領の新兵器が、彼らの首を絞める準備を整えた。
タイカスが兵器オーディンに潜入し強奪する任務

ヴァルハラ研究施設は、自治領の最先端技術が集約された要塞だった。その中心には、鋼鉄で鍛え上げられた巨大な怪物「オーディン」が威圧的な姿でそびえ立っていた。タイカスは通気口から密かに忍び込み、その巨大な機械の脚を見上げて感嘆した。シガーの先から煙が立ち上り、散っていった。
自治領の警備兵たちは、無敵の兵器の周囲を余裕たっぷりに巡回していた。この鉄壁の基地に反乱軍が忍び込んでいるとは夢にも思っていない様子だった。タイカスは巨体に似合わない俊敏な動きで影の中に潜り込み、操縦席へと続く接近ルートを探索した。
通信機の向こうから、ローリー・スワンの切迫しつつも興奮した声が聞こえてきた。セキュリティシステムを無力化したので今がチャンスだという合図だった。タイカスは立ち塞がる技術者を一人軽く気絶させて隅に押し込むと、オーディンの外部装甲に足をかけて素早くよじ登った。鼓動が速くなっていた。
重厚な操縦席のハッチを開けて内部に入ったタイカスは、並ぶ計器盤と操縦桿を見て歓声を上げた。彼はスワンに教えられた通りに起動コードを入力し、メインエンジンの電源を入れた。重い振動が巨大な骨組みを伝わって昇り、全身を痺れるように揺らした。怪物がついに目覚めたのだ。
オーディンの前面光学センサーに赤い光が灯り、重厚な砲身が回転し始めた。異常を察知した自治領の兵士たちが警報を鳴らして駆けつけたが、すでに遅かった。タイカスは操縦桿を固く握りしめ、武器の発射ボタンを容赦なく押し込んだ。耳を劈く轟音とともに、ヴァルハラ基地の平和は粉々に砕け散った。
タイカスの狂気に満ちた笑い声が通信網を通じて遊撃隊全体に響き渡った。オーディンの圧倒的な連射砲撃は、防衛タレットや装甲車を紙切れのように引き裂いた。彼は手当たり次第に砲弾を浴びせて基地内部を荒廃させ、自治領の軍隊は自分たちが作り上げた兵器の前に為す術もなく崩壊していった。
基地の外郭で待機していたレイナーの部隊が、混乱に乗じて迅速に進入した。彼らはタイカスが荒らし回った跡を片付けながら、オーディンの脱出ルートを確保することに集中した。マリーンとマローダーが残存兵力を制圧する間、タイカスは残る防衛施設を踏みつぶしながら前進した。作戦は完璧に噛み合っていた。
ついにヴァルハラ基地の主要施設が破壊され、抵抗は完全に沈黙した。煙が立ち上る廃墟の真ん中にそびえ立つオーディンは、それ自体が恐怖の象徴だった。レイナーはタイカスの見事な強奪を称え、速やかに輸送船にオーディンを載せるよう命じた。いよいよコーハルの心臓部へ攻め込む番だった。
メンスクの過去の虐殺の証拠を放送網に送り込む作戦

自治領の首都コーハルは、メンスクの偉大さを称える宣伝物で華やかに飾られていた。天を突くようにそびえ立つUNN放送局本社の送信塔は、独裁者の声を全宇宙へと送り届ける巨大な血管だった。その華やかな都市の真ん中で、新兵器の公開を祝う大規模なパレードが開催されていた。
群衆の歓声の中、巨大なオーディンが姿を現した。自治領の誇り高き象徴として包装されたその兵器の操縦席に、反乱軍が乗っているとは誰も知らなかった。タイカスは熱狂する市民と護衛の自治領親衛隊を見下ろし、操縦桿の引き金に指をかけた。嵐の前の静けさが漂っていた。
予告なき奇襲だった。オーディンの砲門が火を吹き、最も近くにいた自治領の護衛戦車を一撃で鉄くずに変えた。華やかだったパレード会場は一瞬にして修羅場と化し、悲鳴を上げる市民と慌てふためいて右往左往する自治領の兵士たちで通りは麻痺した。コーハルの防衛線が内部から崩壊した。
混乱に乗じてレイナーの遊撃隊が降下ポッドでコーハルの広場に着陸した。ホーナーは軌道上から、放送送信塔の制御権を確保するためのデータアップロード座標を送信した。レイナーは部隊を率いて最初の送信塔へと走り、タソニスの真実が収められたデータをメインサーバーに流し込み始めた。
正気を取り戻した自治領の軍隊が反撃に出た。メンスクのエリート歩兵とシージ・タンクが送信塔を奪還するために四方から押し寄せてきた。マリーンたちはバリケードを築き、決死の防衛線を構築した。タイカスが強大な火力で敵の装甲部隊を阻止したが、絶え間なく押し寄せる攻勢は息が詰まるほどだった。
レイナーはガウス・ライフルを絶え間なく撃ちまくり、最前線で兵士たちを鼓舞した。メディックたちが倒れたマリーンを治療し、戦線を維持した。飛び交う銃弾と砲弾の爆発音の中でも、レイナーの視線はただデータアップロードの進行状況を示す端末に固定されていた。わずか1パーセントのために、多くの血が流された。
ついに画面が緑色に光り、アップロードが100パーセントに達したことを知らせた。ホーナーの切迫しつつも安堵した声が通信網を通じて聞こえてきた。UNNのメイン放送ネットワークに侵入し、セキュリティファイアウォールを完全に無力化したという報告だった。レイナーは血のついたヘルメットを拭い、空を見上げた。真実が暴露される時間だった。
コーハル全域の大型電光掲示板で流れていたドニー・バーミリオンのニュース番組が突然途切れた。画面が砂嵐とともに暗転し、やがて冷たく機械的な旧型副官のホログラムが現れた。タソニスにサイオニック放出器を投下してザーグを呼び寄せろというメンスクの命令音声が、全宇宙へ生中継され始めた。
真実を知った群衆と揺らぐ自治領のイメージ

マ・サラのうらぶれた酒場からコーハルの超豪華な居住区まで、自治領のすべての市民が一斉に足を止め、画面を凝視した。メンスクが連合を崩壊させるために、数十億人のタソニス市民をザーグの顎に投げ入れたという衝撃的な真実が彼らの鼓膜を叩いた。人々の瞳には驚愕と不信、そして次第に怒りが宿っていった。
放送からはメンスクの狂気に満ちた肉声が流れ続けた。連合であれプロトスであれ、誰も自分を止めることはできず、自分がこのセクターを支配するという傲慢な宣言だった。これまで自治領の救世主であり慈悲深い皇帝として包装されていた彼の仮面が、粉々に砕け散る瞬間だった。市民たちは、恐ろしい虐殺者に騙され続けてきたことを悟った。
コーハルの広場を埋め尽くしていた群衆は、もはや逃げ出さなかった。彼らは自治領親衛隊に向かって石やゴミを投げつけ、怒りを露わにし始めた。街のあちこちで暴動が発生し、メンスクの巨大な銅像や宣伝物が怒れる市民の手によって燃やされ、破壊された。絶対に崩壊しないと思われた自治領の威信に亀裂が入った。
ハイペリオンの艦橋に無事帰還したレイナーは、画面を通じて全宇宙に野火のように広がる反政府デモの現場を見守った。長年胸の中にわだかまっていた澱が少し洗い流されるような、ほろ苦い満足感が押し寄せた。タソニスの怨霊たちと、あそこに置き去りにされねばならなかったケリガンのために、ついに最初の復讐を遂げたのだった。
ホーナーが近づき、自治領艦隊の動向を報告した。辺境の惑星に駐留していたメンスクの主力艦隊が、内部の反乱を鎮圧するために急遽コーハルや主要惑星へと回航しているという知らせだった。メンスクの権力基盤が揺らいだことで、自治領の軍事的圧力は目に見えて弱まった。遊撃隊はついに息を吹き返し、次の目標へと進むことができた。
しかし、勝利の喜びに浸る間もなく、ハイペリオンのレーダー網に巨大な自治領のバトルクルーザーが1隻、単独で接近しているという警報が鳴り響いた。ホーナーは直ちに戦闘態勢を取るよう命じたが、相手は攻撃の意志を見せないまま通信を繋いできた。画面に現れたのはアークチュラスではなく、自治領の巨大戦艦ブセファラスの内部だった。
通信画面の中央には、アークチュラス・メンスクに瓜二つだが、はるかに若く繊細そうに見える青年が立っていた。自治領の皇太子、ヴァレリアン・メンスクだった。彼は敵対的な態度を収め、レイナーに自分の旗艦に来て話そうと丁寧に要請した。思いがけない人物が単独で艦を率いて現れ、交渉を提案してきたため、艦橋のすべてのクルーは当惑と警戒心を隠せなかった。
レイナーは画面の中のヴァレリアンを冷たく睨みつけ、顎を上げた。メンスクの血を引く者が自分に平和的な対話を求めてくるという事実そのものが、不愉快な冗談のように感じられた。しかし、ヴァレリアンの瞳には父親とは異なる種類の確固たる目的意識が宿っていた。レイナーは罠を疑いながらも、直接彼の旗艦であるブセファラスに乗船して対面することを決意した。
ヴァレリアンがチャールへ向かう兵力を手配し、レイナーと交渉する

ジム・レイナーと精鋭の遊撃隊員たちが自治領の旗艦ブセファラスの艦橋の扉を破って進入すると、待ち構えていた自治領親衛隊との間で緊迫した対峙が続いた。レイナーのライフルがヴァレリアン・メンスクに向けられたが、皇太子は少しも動揺せず、傲慢なほど堂々とした態度で彼らを迎えた。
レイナーは銃口を向けたままヴァレリアンに近づいた。自分の人生を台無しにした仇敵の息子が目の前に立っているという事実に、怒りが込み上げてきた。彼は今すぐにでもこの若い皇太子の頭に弾丸を撃ち込みたい衝動を抑えながら、自分たちをここに呼び出した本当の目的は何なのかと荒々しく問い詰めた。
ヴァレリアンは微動だにせず、レイナーの目を真っ直ぐに見つめながら衝撃的な事実を明かした。これまで遊撃隊にゼルナーガの遺物収集を依頼していたメビウス財団の真のオーナーこそが、自分だというのだ。彼は、レイナーが集めてきた遺物は単なる古代の遺跡ではなく、刃の女王を再び人間に戻すことができる唯一の鍵だと説明した。
ヴァレリアンの提案は明確だった。自分が所有する自治領艦隊の半分を提供する代わりに、レイナーの遊撃隊と連合してザーグの本拠地である惑星チャールを侵攻しようというものだった。そこで完成したゼルナーガの遺物を使用してケリガンを浄化し、自分は自治領の真の後継者としての能力を宇宙に証明するという野心的な計画だった。あまりにも大胆な取引だった。
レイナーはハンマーで頭を殴られたような衝撃に包まれた。サラ・ケリガンを再び人間に戻すことができるという言葉は、彼が長い間諦め、胸の奥深くに埋めていた唯一の奇跡だった。疑念と希望が頭の中で激しく衝突した。メンスクの息子を信じることはできなかったが、彼が提示した条件はレイナーが決して拒めない誘惑だった。
ハイペリオンに戻ったレイナーを待っていたのは、マット・ホーナーの激しい反発だった。ホーナーは、メンスク一族の人間を信じるのは自殺行為であり、これは遊撃隊をチャールで全滅させようとする巧妙な罠に過ぎないと声を荒らげた。艦の他のクルーたちもホーナーの言葉に同調し、皇太子との同盟に強い不信感を示した。
しかし、レイナーの決意はすでに固まっていた。彼はホーナーの制止を重い手つきで遮った。ケリガンを救えるなら、地獄の悪魔とでも手を組む覚悟ができていた。レイナーは苦渋の表情でヴァレリアンとの同盟を公式化し、ハイペリオンの艦橋には重い沈黙と不穏な緊張感が漂った。
ヴァレリアンは満足げな笑みを浮かべ、チャール侵攻のための兵力集結を約束した。これにより、自治領の反逆者と皇太子という、宇宙で最も不釣り合いな奇妙な同盟が結ばれた。レイナーはホログラム画面の向こうで赤く燃え盛るチャールの仮想イメージを見つめた。取り返しのつかない運命の歯車が、ついに破滅の地へと回り始めた。
ウォーフィールド将軍とレイナーの異なる手法が衝突する

ヴァレリアンが約束した自治領艦隊とレイナーの遊撃隊が、惑星チャール外郭の集結地に集まった。無数のバトルクルーザーが宇宙空間を埋め尽くす壮観は圧倒的だった。この巨大な連合艦隊の指揮権は、自治領の歴戦の勇士であるホレス・ウォーフィールド将軍に握られていた。彼はメンスクの忠実な腹心であり、徹底した原則主義者として名高い人物だった。
旗艦のブリーフィングルームで、ウォーフィールド将軍はチャール降下作戦の概要を説明した。彼の計画は、強大な火力と大規模な兵力を前面に押し出し、ザーグの防衛線を正面から突破する正統派の全面戦争方式だった。ホログラム地図の上に、赤い矢印がザーグの主要ハイブに向けて一直線に引かれた。それは教科書のように完璧だが、融通の利かない作戦だった。
レイナーは腕組みをしたままホログラム地図を睨みつけていたが、耐えかねて口を挟んだ。ザーグの本拠地であるチャールの大気圏は、無数の空中兵力とスポア・クローラーで覆われており、大規模な艦隊が正面から進入するのは飛んで火に入る夏の虫のようなものだと警告した。彼は、小規模な降下ポッドで分散して浸透するゲリラ戦術を代替案として提示した。
ウォーフィールド将軍は不快感を隠そうともせず、レイナーの意見を一蹴した。正規の軍事教育すら受けていない傭兵の生存術など、自治領精鋭艦隊の圧倒的な火力を前には無意味だというのだ。彼は規律と統制を強調し、自分の指揮のもとで一分の狂いもなく作戦が遂行されることを断言した。老将軍の頑固さは岩のように固かった。
ブリーフィングルームの空気は冷たく凍りついた。正規軍の教義と反乱軍の生存本能は、決して交わることのない水と油のようだった。レイナーはウォーフィールドの傲慢さが多くの兵士を無駄死にさせることを直感し、歯を食いしばった。二人の指揮官の間の緊迫した神経戦は、チャールでの戦いがザーグだけでなく、内部の不信とも戦わねばならないことを予兆していた。
ホーナーが間に入って状況を仲裁しようと努めたが、すでに傷ついてしまった二人の自尊心を取り戻すことはできなかった。結局、作戦はウォーフィールド将軍の当初の計画通りに強行されることが決定した。レイナーは不吉な予感を拭えないままブリーフィングルームを後にした。彼は自分の部隊に対し、最悪の状況に備えて独自の降下準備を急ぐよう指示した。
ついに連合艦隊がチャールの赤い大気圏への進入を開始した。しかし、レイナーの警告は恐ろしい現実となって現れた。雲を突き抜けて降下する前に、蜂の巣をつついたような膨大な数のミュータリスクとスカージの群れが艦隊を襲った。地上からは絶え間なく胞子の塊が飛来し、艦船の装甲を溶かしていった。空全体がザーグの顎のようだった。
ハイペリオンの艦橋で、レイナーは自治領の巨大なバトルクルーザーがザーグの攻勢に為す術もなく引き裂かれていく惨状を見守った。ウォーフィールドの誇る精鋭艦隊は隊列を維持できずに散り散りになり、燃え盛る残骸が流星群のようにチャールの地表へと墜落していった。傲慢さが招いた予定調和の災厄の中で、地獄への降下が始まっていた。
チャール上陸で直面するザーグの攻撃とウォーフィールドの救出

レイナーの遊撃隊は、自治領艦隊の崩壊に乗じて独自の降下軌道を計算し、チャールの地表へと突入した。降下ポッドの窓の外を、燃え盛る自治領艦船の破片とザーグの飛行体が目まぐるしくかすめていった。大気摩擦の熱でポッドの内部はサウナのように熱くなり、兵士たちは荒い息を吐きながら武器を固く握りしめた。地獄の門が大きく開かれていた。
轟音とともにポッドが火山灰に覆われた大地に突き刺さった。ハッチが開いた途端、押し寄せる硫黄の臭いと熱気が肺を刺した。四方は沸き立つ溶岩の川と不気味なザーグのクリープに覆われており、絶え間なく地面を突き破って湧き出るザーグリングの群れが遊撃隊に向かって殺到した。レイナーはライフルを乱射しながら、迅速に防御陣形を構築するよう命じた。
激しい銃声の中、ホーナーの切迫した無線が通信網を突き抜けて入ってきた。ウォーフィールド将軍が搭乗した旗艦ヘレナがザーグの対空網に耐えきれず、敵陣の奥深くに墜落したという知らせだった。生存信号は微弱に捉えられていたが、救助隊が到着しなければ全滅するのは時間の問題だった。正規軍のプライドが泥沼に叩き落とされた瞬間だった。
レイナーは迷うことなく、分散した部隊を糾合してウォーフィールド将軍の墜落地点へと進撃することを指示した。作戦会議では衝突したものの、地獄の真っ只中で同盟軍を見捨てるわけにはいかなかった。マリーンとマローダーが先頭に立ち、火炎放射器でザーグのクリープを焼き払いながら道を切り開いた。一歩進むたびに、無数のザーグの死骸が山のように積み上がっていった。
救出への道のりは凄惨な血戦の連続だった。地中から奇襲を仕掛けてくるヒドラリスクの棘にマリーンたちが倒れ、メディックたちは降り注ぐ酸性液を避けながら必死に負傷者を治療した。レイナーは血と汗にまみれた顔を拭う暇もなく戦線を指揮した。彼らはただ「救い出す」という執念一つで、ザーグの海を切り裂いて進んだ。
ついに、ヘレナの無残な残骸の周囲に防衛線を築き、決死の抵抗を続けている自治領の生存者たちを発見した。ウォーフィールド将軍は、崩れた鉄骨構造物に右腕を挟まれて押し潰された状態でも、残った手でピストルを撃ちながらザーグに立ち向かっていた。彼の軍服は血で赤く染まり、顔には苦痛が歴然としていたが、最後まで降伏しない老将の闘志が輝いていた。
レイナーの遊撃隊が側面から猛烈な火力を浴びせ、ザーグの包囲網を引き裂いた。巨大なウルトラリスクがウォーフィールドに向けて鎌のような爪を振り上げた瞬間、レイナーが正確な射撃で怪物の目を撃ち抜いて倒した。隊員たちが迅速に駆け寄って残骸を取り除き、ウォーフィールドを救出した。恐ろしい死の危機から、間一髪のところで命を救われたのだ。
応急処置を受けながら荒い息を吐いていたウォーフィールド将軍は、傍らに立つレイナーを見上げた。自分が無視した反乱軍の傭兵が、地獄の底から自分を救い出したという事実に、彼の硬い表情が微かに揺らいだ。ウォーフィールドは痛みに耐えながら、重々しい声でレイナーに感謝の意を表した。傲慢だった老将軍の瞳に、初めて真の敬意が宿った。
散り散りになった兵力と遺物を集め、最終決戦を準備する遊撃隊

ウォーフィールド将軍が応急救助船で搬送された後、生き残った自治領の兵力とレイナーの遊撃隊は、比較的防御が容易な巨大な火山の噴火口の中に臨時基地を構築した。四方から立ち上る煙たいた煙と焦げ臭い匂いが立ち込めるこの場所は、彼らがシミュレーションで経験したどの戦場よりも凄惨だった。兵士たちは疲れた体を引きずり、黙々と防壁を築き、武器を点検した。
それから間もなく、片腕を切断して機械の義手を装着したウォーフィールド将軍が、包帯を巻いた姿で作戦統制所に復帰した。彼は硬い表情でホログラムテーブルの前に立った。自らの誤判によって多くの部下を失った痛切な失敗を認める彼の声は、重く沈んでいた。チャールの過酷な現実は、正規軍の古い教義を完全に粉砕してしまった。
ウォーフィールドはレイナーの方を向き、地上軍のすべての戦術指揮権を彼に正式に移譲すると宣言した。この地獄のような惑星で生き残り、勝利するためには、正規軍のやり方ではなく、レイナーの直感とゲリラ戦術が必要だという骨身に沁みる悟りからだった。レイナーは黙って頷き、その重い責任を喜んで自らの肩に背負った。
指揮権を引き継いだレイナーは、直ちに技術者たちに命令を下した。これまでメビウス財団を通じて収集してきたゼルナーガの遺物の破片を組み立て、活性化の準備を急げという指示だった。スワンと技術陣が慎重に遺物の破片を一つに合わせ始めると、古代の装置から放たれる神秘的な青い光が、暗い作戦統制所の内部を明るく照らし出した。
完成しつつある遺物は、不気味で恐ろしいザーグの生体組織に覆われたチャールの風景と鮮明な対照をなし、奇妙なエネルギーを放っていた。この古代の遺物だけが、刃の女王のサイオニック・エネルギーを浄化し、彼女を恐ろしい呪いから解放できる唯一の希望だった。レイナーは青い光に染まった遺物を見つめ、胸の奥深くから湧き上がる震えを抑え込んだ。
その傍らで、タイカスが腕組みをしたまま遺物とレイナーを交互に見つめていた。彼のバイザーの向こうでどのような感情が渦巻いているのかを読み取ることはできなかったが、普段の軽い冗談すら消え失せた彼の沈黙は、妙な緊張感を醸し出していた。タイカスの視線の先には、救済という名で包装された、避けることのできない残酷な運命の影がちらついていた。
ホーナーが急ぎ足で近づき、レイナーに最新の偵察データを報告した。チャール全域に分散していたザーグの群れが、主要ハイブを中心に巨大な津波のように集結しているという知らせだった。刃の女王が侵入者たちを抹殺するために、自らの全兵力をかき集めているのは明らかだった。最後の防衛線に向けたザーグの大攻勢が差し迫っていた。
レイナーはガウス・ライフルのボルトを引き、赤く燃える火山灰の向こうの荒野を凝視した。もはや退く場所も、逃げる場所もなかった。ただ、あの恐ろしいザーグの海を突き破って進み、遺物を活性化することだけが、サラ・ケリガンを取り戻す唯一の道だった。彼は固く結んだ唇を噛み締め、迫り来る決戦の嵐に向けて黙々と視線を固定した。
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오딘을 훔쳐서 방송국을 털 생각을 하다니 역시 레이너 특공대다운 대담함이네요! 코랄 방송국이 순식간에 아수라장이 되는 장면이 눈에 선합니다. 🚀