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スタークラフト年代記 第11話:避難民が通り抜けたシャークラスの門

この物語の目次
  1. オーバーマインドの死後もゼアグの群れが残るアイアーの絶望
  2. アルタニスとゼラトゥルが生き残ったプロトスを集め、避難の準備を進める
  3. レイナーとフェニックスがアイアー側の後方を死守することに決める
  4. ワープゲートを通り抜け、見知らぬシャークラスに足を踏み入れる難民
  5. ネラジムとカライが対峙し、古き分裂の痛みに向き合う
  6. ラザガルが避難民を受け入れ、共同の生存を議論する
  7. ゼアグが難民の後を追い、シャークラスを汚染する危機
  8. ケリガンが新たなオーバーマインドを警告し、同盟を提案するところで幕を閉じる
  9. 確認された資料

原作の出来事をもとに新たに執筆したファンフィクションです。登場人物の感情や台詞、場面の雰囲気は再構成されており、主要な結末を含みます。

オーバーマインドの死後もゼアグの群れが残るアイアーの絶望

オーバーマインドの死後、アイアーの荒廃した奈落とクリープに覆われた大地を見つめるアルタニスとゼラトゥル。
オーバーマインドの死後、アイアーの荒廃した奈落とクリープに覆われた大地を見つめるアルタニスとゼラトゥル。

アイアーの空は、タサダールの犠牲が残した閃光によって今もなお澱んでいた。かつて黄金色に輝いていた大地は、今や灰色の塵と黒ずんだ赤色のクリープに覆われ、無惨な傷跡を晒していた。オーバーマインドの巨大な残骸の周囲では、絶え間なく燃え盛る炎が煤けた煙を吹き上げ、プロトスの没落を証明していた。

アルタニスは崩壊した寺院の残骸の上に立ち、果てしなく広がる廃墟を見下ろした。若き執行官の肩には、帝国を守り抜けなかったという重い罪悪感がのしかかっていた。彼の視線が届く至る所に、同胞たちの遺体と無惨に引き裂かれた機械の破片が乱雑に散らばり、凄惨な光景を作り出していた。

オーバーマインドは破壊されたが、それがゼアグの完全な滅亡を意味するわけではなかった。統制を失った野生のゼアグの群れは、むしろさらに凶暴化してアイアー全土を席巻し、手当たり次第に破壊の限りを尽くした。飢えた獣のように咆哮する彼らの悍ましい騒音が、カラの精神ネットワークを通じて生存者たちの精神を引き裂いていた。

「我々は勝利したが、すべてを失った」アルタニスは傍らに近づいた影に向かって低く呟いた。彼の声には抑えきれない悲痛さが滲んでいた。数千年にわたり続いてきた栄光ある帝国が、わずか数日で灰燼に帰してしまった現実を、彼はまだ完全には受け入れられずにいた。

暗闇から姿を現したゼラトゥルは、黙って頷いた。ダークテンプラーのプレラト(政務官)である彼は、この悲劇的な結末をある程度予見していたが、いざ目の前に広がる故郷の惨状は、彼の永きを生きる心臓さえも凍りつかせた。彼は古びたマントを羽織り直し、赤く染まった地平線を見つめた。

「タサダールの犠牲を無駄にするわけにはいかない、執行官」ゼラトゥルの声は静かだったが、断固たる力がこもっていた。「アイアーはすでに死にゆく地だ。残された者たちまで、この呪われた地で獣どもの餌食にさせるわけにはいかない。我々は決断を下さねばならん」

アルタニスは拳を固く握りしめた。カラを通じて伝わる生存者たちの恐怖と絶望が、彼の神経を鋭く逆撫でしていた。ゼアグの包囲網は刻一刻と狭まり、防衛線はすでに至る所で崩壊しつつあった。これ以上この惑星に留まることは、無意味な自殺行為にすぎなかった。

「どこへ行けと言うのだ。我々の故郷はここしかないというのに」アルタニスの絶望的な問いに、ゼラトゥルはしばし沈黙を守った。やがて彼の眼光が暗闇の中で冷ややかに輝いた。「我が同胞たちが留まる地、シャークラスだ。あそこのワープゲートを開き、生存者たちを避難させねばならん」

アルタニスとゼラトゥルが生き残ったプロトスを集め、避難の準備を進める

避難民が青いポータルを通って避難する中、アイアーの大いなるゲートを死守するアルタニス。
避難民が青いポータルを通って避難する中、アイアーの大いなるゲートを死守するアルタニス。

「シャークラス」という名が出ると、アルタニスの瞳が微かに揺れた。千年以上前にアイアーから追放されたダークテンプラーの隠れ家へ向かうなど、カライ・プロトスにとっては想像すら困難なことだった。しかし、今は古い教義やプライドを振りかざしているほど猶予のある状況ではなかった。

「大ゲートがまだ無事であるか確認せねばならん」ゼラトゥルは身を翻し、廃墟と化した都市の外郭を指さした。「ゼアグがそこを完全に掌握する前に、生存者たちを結集させねば。時間が遅れるほど、我々が救える同胞の数は指数関数的に減っていくことになる」

アルタニスは決然とした意志で頷き、カラの精神ネットワークを通じて緊急の波動を送り出した。散り散りになっていたプロトスの戦士たちや避難民たちが、執行官の呼びかけに応えて慎重に隠れ家から姿を現し始めた。彼らの顔には疲労と恐怖が色濃く滲んでいたが、生きたいという意志は明白だった。

生存者たちの行列は、あまりにも無惨だった。負傷したジロット(狂戦士)たちが互いを支え合い、子供や老人、弱者たちが恐怖に怯えながら戦士たちの後ろに従った。アルタニスは彼らの痛々しい姿を見て、再び唇を噛み締めた。自分が彼らを率いて無事に脱出できるのか、不安が先立った。

ゼラトゥルはダークテンプラーたちを率いて避難行列の先頭に立ち、道を切り開いた。彼のサイオニック・ブレードが暗闇の中で閃くたびに、待ち伏せていたゼアグの群れが音もなく倒れていった。ダークテンプラーの隠密かつ致命的な戦闘スタイルは、混乱に陥った避難民たちにとって心強い盾となった。

ついに、巨大な古代の構造物である大ゲートが彼らの目の前にその威容を現した。幸いにもゲート自体は破壊されていなかったが、周囲にはすでに無数のゼアグの群れが陣を敷いていた。アルタニスはブレードを抜き放ち、戦士たちに陣形を整えるよう命じた。脱出のための最後の死闘が始まろうとしていた。

「ゲートを活性化させるには時間が必要だ」ゼラトゥルはゲートの制御装置へと近づきながら叫んだ。古代のエネルギーを呼び覚ますには複雑な手順が必要であり、その間、誰かがゼアグの波状攻撃を食い止めねばならなかった。アルタニスは先頭に立ち、押し寄せるザーグリングの群れに向かって突撃した。

避難民たちはゲートの周囲に丸く集まり、恐怖に震えながら祈りを捧げた。戦士たちの咆哮とザーグの奇声が混ざり合い、悍ましい不協和音を作り出していた。ゲートの中心部から徐々に青い光が漂い始めると、生存者たちの目にかすかな希望の火が灯った。しかし、ザーグの攻勢は激しさを増す一方だった。

レイナーとフェニックスがアイアー側の後方を死守することに決める

AI再構築イラスト:Jim Raynorと4本足のDragoonに乗ったFenixが、Hydralisksの波状攻撃からAiurを防衛する。
AI再構築イラスト:Jim Raynorと4本足のDragoonに乗ったFenixが、Hydralisksの波状攻撃からAiurを防衛する。

青いエネルギーが渦巻き、ついにワープゲートが開いた。アルタニスは避難民たちに、急いでゲートの中へ飛び込むよう指示した。しかし、ゼアグの群れは果てしなく、防衛線は徐々に後退し、崩壊の危機に瀕していた。誰かが後方に残って彼らを食い止めなければ、全員が皆殺しにされる状況だった。

その時、重々しい機械音とともに、一体の巨大なドラグーンが防衛線の最前線へと進み出た。フェニックスだった。彼の機械の身体はすでに何度も攻撃を受けて焦げていたが、その気迫だけはアイアーのどの戦士よりも猛烈だった。「私が残ろう、アルタニス。お前は同胞たちを率いて早く立ち去るのだ」

「フェニックス、そんなことはできない! あなたを再び失うわけにはいかないのだ!」アルタニスは差し迫った様子で叫び、彼を引き止めようとした。しかし、フェニックスは断固たる動作で反物質砲を発射し、迫り来るヒドラリスクたちを粉砕した。彼の機械的な音声には、一抹の迷いも混ざっていなかった。

「これは私の選択であり、テンプラーの栄光だ。誰かがこの呪われた獣どもの足止めをせねばならんだろう」フェニックスの傍らに、聞き覚えのあるエンジン音を響かせながら、テランのヴァルチャーが一台滑り込んできた。ジム・レイナーだった。彼はヘルメットのバイザーを上げ、彼特有の不敵な笑みを浮かべた。

「俺と俺の部下たちもここに残るぜ、執行官」レイナーが通信機を通じて言った。「俺たちが抜けたら、このデカい相棒が一人で寂しがると思ってな。それに、俺たちは借りを残したまま生きるのが性に合わないんだ」彼の背後から、テランのマリーンたちやシージタンクが続々と到着し、防衛線を構築し始めた。

アルタニスは二人の英雄の崇高な決断を前に、胸が詰まって言葉を失った。異邦人であるテランまでもが、プロトスの生存のために命を懸けていた。ゼラトゥルが近づき、アルタニスの肩を重々しく叩いた。「彼らの犠牲を無駄にしてはならん。我々は生き延びて未来を切り開かねばならんのだ」

「エン・タロ・タサダール。エン・タロ・アドゥン」アルタニスはフェニックスとレイナーに向けて、深い敬意を込めて敬礼した。フェニックスもまた重厚な腕を上げて応え、レイナーは無造作に手を振ってみせた。アルタニスはこみ上げる悲しみを抑え、身を翻してワープゲートの渦の中へと身を投じた。

ゲートの向こうへと消えていくプロトスの生存者たちの最後の姿を見届け、フェニックスとレイナーは武器を構え直した。果てしなく押し寄せるゼアグの津波を前にした二人の指揮官の瞳には、恐怖の代わりに決然とした戦意が燃え盛っていた。アイアーに残された者たちの、凄絶な防衛戦の幕が上がった。

ワープゲートを通り抜け、見知らぬシャークラスに足を踏み入れる難民

AI再構成挿絵 — アイアーからシャークラスへ避難する同胞を迎えるゼラトゥル。
AI再構成挿絵 — アイアーからシャークラスへ避難する同胞を迎えるゼラトゥル。

ワープゲートを通過した瞬間、アルタニスは全身の感覚がねじ切れるような強烈な眩暈を覚えた。時空の境界が崩れ、光と闇が交差する短い刹那を経て、彼は荒い地面へと転がり落ちた。目を開けた彼を迎えたのは、アイアーの温かな陽光ではなく、永遠の黄昏に包まれた空だった。

シャークラスの空気は冷涼で乾燥しており、見知らぬ惑星の匂いが肺を刺した。太陽のないこの惑星は、微かに輝く星雲と奇妙な発光植物だけが唯一の光源だった。続いてゲートを抜け出したカライの避難民たちは、不慣れな環境に圧倒され、不安げな眼差しで周囲を見回した。

「ここがダークテンプラーの故郷だというのか」一人のハイ・テンプラー(高位聖職者)が信じられないといった様子で呟いた。数千年の間、カラの温かな光の中で生きてきた彼らにとって、シャークラスの深い闇は本能的な恐怖を呼び起こした。数人の避難民は荒涼とした大地にへたり込み、故郷を失った悲しみに号泣し始めた。

ゼラトゥルが闇の中から滑り出すように現れ、不安に震える群衆の前に立った。彼の存在は、この見知らぬ世界において唯一馴染みのある道標のようだった。「恐れるな、同胞たちよ。シャークラスの闇は我々を隠してくれる帳にすぎず、決して害を及ぼすものではない。私に付いて来なさい」

避難民たちはゼラトゥルの案内に従い、険しい岩の峡谷に沿って歩き始めた。激しい砂嵐が彼らの古びたローブをなびかせ、疲労困憊した足取りは限りなく重かった。アルタニスは行列の最後尾に立ち、万が一の危険に備えながら生存者たちを鼓舞した。彼の心の一角には、今もアイアーに残された者たちへの懸念が居座っていた。

峡谷を抜けると、巨大な地下都市の入り口が彼らの前に現れた。切り立った崖の側面に精巧に彫刻された建造物群は、アイアーの黄金に輝く寺院とはまったく異なる、冷たくも神秘的な美しさを放っていた。それは数千年に及ぶ流刑生活の間、ネラジムが築き上げてきた生存の証だった。

都市の入り口に差し掛かると、暗闇の中で数十もの緑色の眼光が不気味に光った。ダークテンプラーの戦士たちが警戒態勢を整え、見知らぬ訪問者たちを注視していた。彼らの手に握られたワープ・ブレードが、威嚇的な音を立てて振動していた。避難民たちは本能的に後ずさりし、恐怖に息を呑んだ。

ゼラトゥルが両腕を広げて前に進み出た。彼がネラジム独自の言語で何かを叫ぶと、警戒していた戦士たちの動きがピタリと止まった。しかし、彼らの瞳に宿る敵意と警戒心は容易には静まらなかった。数千年前に自分たちを追い出した者たちを、自らの本拠地へと招き入れるのは、決して容易なことではなかった。

ネラジムとカライが対峙し、古き分裂の痛みに向き合う

古い対立を和らげるため、敵対的なネラジムの戦士とカライの避難民の間に割って入るアルタニス。
古い対立を和らげるため、敵対的なネラジムの戦士とカライの避難民の間に割って入るアルタニス。

ネラジムの戦士たちが徐々に姿を現し、カライの群衆を丸く包囲した。彼らの顔は布で覆われていたが、放たれる冷たい気配だけでも十分に脅威的だった。カライの戦士たちもまた本能的にサイオニック・ブレードを起動しようとし、一触即発の緊張感が冷たい空気を切り裂いた。

「武器を収めよ!」アルタニスは差し迫った様子で叫び、カライの戦士たちの前に立ちはだかった。「我々は戦いに来たのではない。故郷を失い、追われた避難民にすぎないのだ」彼の切実な叫びにもかかわらず、ネラジムの戦士たちの武器は収められなかった。長年にわたり積み重なった怨恨の溝は、それほどまでに深かった。

一人のネラジムの長老が前に歩み出、冷ややかな声で口を開いた。「我々をこの不毛の地へと追いやった者たちが、今になって我々の保護を求めると言うのか。評議会は我々を異端と呼び、狩り立てたではないか。なぜ我々がお前たちを受け入れねばならんのだ」

その言葉に、数人のカライの生存者たちが羞恥と怒りで身を震わせた。しかし、彼らは反論できなかった。評議会の傲慢さが、結局はアイアーの破滅を招いたことを、彼ら自身も身に染みて悟っていたからだ。ゼラトゥルが長老の前に歩み寄り、静かだが断固とした口調で言った。

「評議会は崩壊した、モハンダール。アイアーはゼアグの足元に踏みにじられ、彼らは生き残った最後の同胞たちだ。タサダールは自らの命を捧げて我々全員を救った。彼が見せた犠牲は、カライとネラジムが決して異なる存在ではないことを証明するものだった」

タサダールの名が言及されると、ネラジムの戦士たちの間に微かな動揺が走った。ダークテンプラーにとっても、タサダールは彼らの力を理解し、尊重してくれた唯一のハイ・テンプラーとして広く知られていた。彼の崇高な死は、この長きにわたる怨恨の壁に小さな亀裂を入れ始めた。

アルタニスは胸に手を当て、深く頭を下げた。「我々の先祖が犯した過ちを否定はしない。しかし、今や我々は同じ敵に追われる兄弟だ。どうか慈悲を施してほしい。我々の血で、この不毛な地を汚したくはないのだ」

若き執行官の心からの訴えとゼラトゥルの保証により、ネラジムの戦士たちの殺気は少しずつ和らいでいった。ついに長老が手招きすると、戦士たちは武器を収めて道を開いた。張り詰めていた緊張感がすっと解け、カライの避難民たちは安堵のため息をついた。しかし、真の試練はまだ残されていた。

ラザガルが避難民を受け入れ、共同の生存を議論する

シャクーラスの輝くクリスタルの広場で、アルタニス、ゼラトゥル、そして避難民を歓迎する女長老ラザガル。
シャクーラスの輝くクリスタルの広場で、アルタニス、ゼラトゥル、そして避難民を歓迎する女長老ラザガル。

ネラジムの戦士たちに導かれ、避難民たちは巨大な地下城塞の中心部へと入った。そこには、ほのかに輝く水晶で装飾された広い広場があり、広場中央の壇上には、犯しがたい威厳を湛えた老いた女性プロトスが立っていた。ダークテンプラーの女長(大母)ラザガルだった。

ラザガルの見透かすような視線が、避難民の行列をゆっくりと見渡した。彼女の眼差しは、数千年の歳月を宿したかのように深く、静まり返っていた。アルタニスとゼラトゥルが壇上の前に進み出て礼を尽くした。広場には、息遣いさえ聞こえないほどの重苦しい静寂が降りてきた。

「ゼラトゥル、我が古き友よ。お前が率いる客人たちの姿は、実に痛々しいものだな」ラザガルの声は穏やかだったが、その中には抗えない力が込められていた。「アイアーが陥落したという知らせは聞いている。実に悲痛なことだ」

「大母よ、恥を忍んで彼らを率いてここへ参りました」ゼラトゥルは頭を下げたまま答えた。「ゼアグの脅威は我々の想像を超えています。この生存者たちを受け入れていただけなければ、プロトスという種族そのものの命脈が絶たれてしまうでしょう」

ラザガルはアルタニスへと視線を向けた。「若き執行官よ、お前の肩に背負われた荷はあまりにも重そうだな。評議会の傲慢さが結局このような悲劇を生んだが、私はその罪をこの哀れな者たちに問うつもりはない。我々は皆、ゼル=ナーガのファーストボーン(最初の生まれし者)ではないか」

彼女の寛大な宣言に、アルタニスはこみ上げる感動を抑えた。「大母の恩恵を決して忘れません。我々はシャークラスの法に従い、あなた方の平和を乱さぬよう最善を尽くします。我々のブレードは、今やシャークラスのために振るわれるでしょう」

「よく言った。過去の怨恨に囚われるには、我々の未来はあまりにも暗い」ラザガルは手を挙げ、避難民たちに向けて慈愛に満ちた仕草を見せた。「ネラジムの同胞たちよ、この傷ついた者たちに休息の地と食糧を提供せよ。今日から彼らは我々の客人であり、共に生きていく同伴者だ」

大母の命令が下ると、ネラジムの住民たちが近づき、疲れ果てたカライの避難民たちを支え、傷を治療し始めた。数千年の間断絶していた二つの陣営が、ついに互いの温もりを分かち合う瞬間だった。アルタニスはその光景を見守りながら、重い荷を一時下ろしたかのような深い安堵感を覚えた。

ゼアグが難民の後を追い、シャークラスを汚染する危機

ザーグの軍勢がシャクーラスに侵攻し、ワープゲートに赤いクリープを広げる中、反撃するアルタニス。
ザーグの軍勢がシャクーラスに侵攻し、ワープゲートに赤いクリープを広げる中、反撃するアルタニス。

しかし、平和の瞬間はあまりにも短かった。広場の外郭から鋭い警報音が響き渡り、シャークラスの静寂を切り裂いた。偵察に出ていたネラジムのダークテンプラーが血まみれになって飛び込んでき、差し迫った様子で叫んだ。「大母よ! ワープゲートが……ゲートが再び開きました!」

アルタニスの心臓がドクンと跳ね上がった。フェニックスとレイナーが後方を守っていたため、ゲートは安全に閉じられたはずだった。ゼラトゥルの顔にも当惑が走った。「誰が渡ってきたというのだ? まさか、アイアーに残された生存者たちなのか?」

「違います、ゼアグです! 無数のゼアグの群れがゲートを突破し、シャークラスへと流れ込んでいます!」偵察兵の絶望的な報告に、広場は一瞬にして阿鼻叫喚の渦と化した。かろうじて落ち着きを取り戻していた避難民たちは、再び恐怖に駆られて悲鳴を上げ、逃げ惑い始めた。

「なんということだ……我々が獣どもをこの聖なる地へ引き込んでしまったというのか」アルタニスは胸が張り裂けるような罪悪感に包まれた。自分たちを救ってくれた恩人たちの故郷までも破滅へと追い込んでしまったという思いに、彼の指先が微かに震えた。ゼアグの執拗な追跡は、想像を絶するものだった。

ラザガルの表情が恐ろしく強張った。「うろたえるな! ネラジムの戦士たちよ、直ちに防衛線を構築せよ! カライの戦士たちも武器を取れ! 我々の故郷を、あの汚らわしい獣どもに明け渡すわけにはいかない!」大母の轟くような号令が、混乱に陥った群衆を一瞬にして引き締めた。

アルタニスとゼラトゥルは直ちに戦士たちを率いて、ゲートのある峡谷へと駆けつけた。彼らの目の前に広がっていた光景は凄惨極まりなかった。青いエネルギーを放っていたワープゲートはすでに赤いクリープに覆われており、その向こうから底知れぬゼアグの群れが溢れ出し、砂嵐を突き抜けて進撃していた。

醜悪なヒドラリスクたちが毒針を放ちながらネラジムの防衛塔を破壊し、空からはミュータリスクの群れが金切り声を上げて急降下してきた。シャークラスの澄んだ空気は、一瞬にして血生臭さとクリープの悪臭で汚染されていった。カライとネラジムの戦士たちは肩を並べ、必死の防衛戦を展開した。

アルタニスのサイオニック・ブレードが舞い、迫り来るザーグリングたちを斬り伏せたが、敵の数は圧倒的だった。このままではシャークラスまでもがアイアーと同じ運命をたどることは明白だった。絶望的な戦闘が続いていたその時、戦場の中央へと奇妙かつ強力なサイオニック波動が吹き荒れた。

ケリガンが新たなオーバーマインドを警告し、同盟を提案するところで幕を閉じる

シャクーラスでアルタニスとゼラトゥルに同盟を提案する、刃の女王サラ・ケリガン。
シャクーラスでアルタニスとゼラトゥルに同盟を提案する、刃の女王サラ・ケリガン。

猛烈に攻撃を浴びせていたゼアグの群れが、一瞬にして動きを止めた。まるで目に見えない巨大な手が彼らの首輪を掴んだかのように、凶暴だった獣たちはその場に立ち止まり、低く唸るだけだった。戦場に流れる不気味な静寂の中で、戦士たちは当惑を隠せず、武器を構え直した。

ゼアグの群れの真ん中が割れ、見覚えがありながらも異質な人影が一つ、ゆっくりと歩み出てきた。人間の女性のシルエットを持ちながらも、骨でできた翼と棘に覆われた甲殻をまとった存在。クイーン・オブ・ブレード、ケリガンだった。彼女の口元には、余裕に満ちた傲慢な笑みが浮かんでいた。

「ケリガン!」ゼラトゥルは怒りに満ちた一喝を放ち、前に進み出た。タルソニスで彼女をゼアグの手に渡してしまったテランの悲劇を、彼はよく知っていた。アルタニスもまた即座にブレードを構え、戦士たちに攻撃命令を下そうとした。あの悍ましい怪物が、このすべての事態の元凶であることは明白だった。

「武器を収めた方がいいわよ、テンプラー」ケリガンの声が戦士たちの精神に直接響き渡った。彼女はまったく脅威を感じていないかのように、優雅な仕草で周囲のゼアグの群れを下がらせた。「私は今、あなたたちと戦いに来たんじゃないの。むしろ、助けに来たのよ」

「嘘を言うな、堕落せし者よ! オーバーマインドの傀儡が、よくも我々を欺こうとするか!」アルタニスが鋭く言い放った。しかしケリガンは鼻で笑い、首を振った。「オーバーマインドは死んだわ。あなたたちのあの英雄的なタサダールのおかげでね。私はもう自由の身になったのよ」

彼女の言葉に、プロトスの指揮官たちは混乱に陥った。ケリガンは彼らの動揺を楽しむかのように、余裕たっぷりに言葉を続けた。「でも、喜ぶのは早いわ。惑星チャールで、新たなオーバーマインドが育っているの。ダゴスをはじめとするセレブレイトたちが、その幼いオーバーマインドを利用して、再びゼアグを統制しようとしているわ」

「新たなオーバーマインドだと……」ゼラトゥルの瞳が揺れた。それが事実なら、プロトスが払ったあのすべての犠牲が水の泡になることを意味していた。ケリガンは赤く輝く瞳でゼラトゥルを真っ直ぐに見つめた。「そうよ。あいつが完全に目覚めれば、私もまた奴隷に戻るわ。私はそれを望まない」

「だから、あなたたちの力が必要なの」ケリガンは両腕をゆっくりと広げて提案した。「あなたたちはこの忌々しいゼアグの群れをシャークラスから追い出したいでしょうし、私は新たなオーバーマインドを破壊したい。私たちの目的は同じよ。どう? 私と同盟を結ぶのは」彼女の不気味な微笑みを前に、プロトスの指導者たちは深い沈黙に沈んでいった。

確認された資料

ブリザード公式スタークラフト年代記

スタークラフト・ブルードウォー公式ゲーム紹介

リマスターの公式ストーリー演出と参照画像

スタークラフト・ブルードウォー公式ダウンロードとリマスター購入

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コメント 1

아이어를 떠나야만 했던 그 절박한 순간들이 생생하게 그려지네요. 피닉스와 레이너의 뒷모습은 언제 봐도 마음이 짠해요. 😭 샤쿠라스에서 시작될 새로운 운명은 또 어떤 파란만장한 이야기가 될지 기대됩니다!

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