NieR年代記 14 — 森の赤ん坊の王とA2の裏切り
この物語の目次
森の王国と赤ん坊の王、A2が残した裏切りの言葉
ネタバレの注意:森の王国の調査、エミールとの初めての出会い、森の王とA2の登場、そしてゲーム内で確認できる真珠湾降下作戦の背景を扱います。Bルートで加わる王国の過去、任意のクエストで得る手紙、後半にA2を操作して読む記録は、それぞれ区別して説明します。

1. パスカルが教えた、もう一つの機械たちの土地
エイリアンの艦船から戻った後も、2Bと9Sは地上で独自に行動する機械生命体を調べる。パスカルが教えた森には、自分たちの王国を築いた機械たちがいる。パスカルの村と同じく、ほかの機械とは異なる集団だが、住民が同じように平和を選び、ヨルハを歓迎するとは限らない。二人はその存在と行動を自分たちで確かめに行く。
森へ向かう道には、人間が使っていた商業施設がある。店や通路の残る建物からは、かつてここを行き交った人間の多さが想像できる。今そこを通るのは、人類のために戦うという二人のアンドロイドだ。都市では草木が人間の不在を覆い、施設の向こうには機械たちが築いた別の社会がある。人間の生活空間と、その後に生まれた世界が一本の道でつながる。
商業施設を通ろうとすると道が塞がれ、機械たちが現れる。二人が敵に対処すると、見覚えのある骸骨のような丸い顔が転がり、バリケードの付近で爆発を起こす。エミールだ。レプリカントの時代を知る読者には旧友の帰還だが、2Bと9Sにとっては名前も事情も初めて知っていく出会いである。エミールはここですべての過去や失った人々を説明しない。長い時間を耐え、記憶が散らばった存在が、小さな騒動を通して二人の現在に入ってくる。
エミールが動いた後、塞がれていた通路が開き、二人は森へ進めるようになる。この短く騒がしい出会いの後には、廃墟都市を走る移動商店として彼と再会できる。その明るい声や品物を売る暮らしだけから、世界の長い時間を推し量るのは難しい。彼の記憶を探す任意のクエストが、後にその表面の下を別に開いてくれる。
2. 王のために隊列を組む兵士たち
森には鎧と武器を身につけた機械たちがいる。散らばった小型個体と戦っていた道とは異なり、彼らは王を守るという目的を掲げ、組織的に二人を阻む。パスカルの村で聞いた家や家族という言葉が、ここでは王国と忠誠の言葉に変わる。人間の社会の姿を学んだ機械たちが、それぞれ異なる制度を選び、自分たちの生活と戦いに用いている。
兵士たちは一体ですべての攻撃を受け止めようとはしない。槍や盾を持つ個体が隊列を組み、前を塞ぐ体の後ろに別の兵士が立つ。小型個体が単独では強くなくても、複数の体が同じ目的で動けば道は通りにくくなる。2Bと9Sは森を抜けて城へ進みながら、その配置を崩す。相手が叫ぶ守る目的を聞くことと、自分へ向かう武器を防ぐことが同時に続く。
王国には、すでに長い歴史がある。Bルートでは数百年前のエルンストや、ほかの機械たちを映す場面が加わる。先代の王エルンストは共同体を築き、彼がいなくなった後、兵士たちはイマヌエルという新王をいただく。本章では目の前の王国の成り立ちを理解するため、その過去も併せて説明する。ただし、プレイヤーが後から別の視点で過去を見ることと、初訪問の2B・9Sが森の入口で歴史のすべてを説明されることは、同じ出来事ではない。
任意のクエストで手に入る王への手紙は、エルンストがなぜ敬われたかをさらに伝える。彼はほかに先んじて自分の意志に目覚めた機械で、自身の部品を分け与え、別の機械たちにも自我を生まれさせた。しかし分けるほど自分の体は動きにくくなり、最後には停止した。住民が語る王の恩には、他者の命のために自分の体を差し出した過去がある。手紙は彼らが一緒に作った部品を通して思いを残し、王の安らぎを願う。
王を守る者たちの行動を後から振り返れば、誰かが入力した戦闘の掛け声だけでは見えてこない時間がある。先に暮らした者たちは消え、残る者たちはその場所を引き継がなければならなかった。王という地位は次の時代にも共同体が続くという印になる。その場所をどれほど大切にしているかは、敵として入った二人に突進する行動に、まず表れる。
3. 人が消えた城の王室へ
森の向こうには城がある。二人は外から中へ入り、いくつもの階や通路をたどって上の王室へ向かう。移動できる場所が狭まるにつれて、戦闘も地形の影響を受ける。敵の攻撃を避けるだけではなく、足場を外さず次の通路を探す必要がある。城は遠い背景として眺める遺跡ではなく、機械兵たちが現在守っている生活と権力の中心だ。
その中でも、すべての機械が同じ仕事をしているわけではない。隠れた場所には武器を扱う鍛冶屋の正宗がいる。装備をさらに強く改良する彼の存在は、この王国には攻撃と防御以外にも、特定の仕事を身につけて続ける個体がいることを示す。機械たちが人間の城を占拠したという一文の中には、兵士と王だけでなく、自分の技を持つ別の暮らしも入っている。
二人は抵抗を突破し続け、王室にたどり着く。それまでの声や兵士の態度からは、強力な指揮者か巨大な戦闘機体が予想される。しかし王として仕えられているのは、小さな赤ん坊の機械だった。周りの兵士のように武器を持ち、自分の場所を守る相手ではない。王国の威厳と、その中心に置かれた体の無力さが同じ場面に現れる。
赤ん坊の姿には、成長と継承に対する兵士たちの期待が込められている。彼らは新王がいつか育って自分たちを率いると願うが、機械の体は待っているだけで人間の子供のように成長しない。長い待ち時間の中でも小さな体はそのままだ。それでも兵士たちは彼を大切にし、守ろうとする。二人が崩しながら進んできた隊列は、自分を守れない王の代わりに戦う者たちだった。
4. 王に届いたのはヨルハの剣だった
二人が赤ん坊の王の正体を受け止める前に、別のアンドロイドが現れる。長い白髪と、擦り切れて傷んだ外見を持つ戦闘員だ。彼女は王に近づき、剣で体を貫いて破壊する。森の兵士が最後まで守ろうとした中心は、新たな侵入者の一撃で消える。2Bと9Sは王と戦うかどうかを決める戦闘を始めたのではなく、その死の現場に立つことになる。
現れた存在の名はA2。ポッドは彼女をヨルハの旧型攻撃モデルであり、指名手配中の脱走兵だと識別する。続く命令は彼女の排除だ。今機械の王を殺した相手が、新たな敵機械の形態ではなく、二人と同じ軍事組織から出たアンドロイドだという事実が、戦いの性質を変える。
2Bは命令に従ってA2と戦う。今回の相手は巨大なのこぎりも機械の隊列も使わない。素早く近づき、距離を取り、剣を振る体が2Bの動きとぶつかる。二体の顔が似ていることも目に入る。しかし似た顔は同一人物である証拠でも、一人が時をさかのぼった証拠でもない。ヨルハが設計し作った機体同士の関係が、ここで初めて見慣れない姿で浮かび上がる。
9Sはそばで戦いを助けながら、A2がなぜ自分の組織の敵になったのか疑問を持つ。手配情報は排除すべきという結論を与えるが、その結論に至った具体的な過去まですべては説明しない。戦いの終わり、彼はなぜヨルハを裏切ったのかと尋ねる。A2に付された脱走兵という呼び名を、一時、出来事への問いに変える瞬間である。
5. 裏切ったのはどちらだったのか
A2は9Sが受け入れていた出来事の方向を反転させる。自分が先に裏切ったというより、司令部が自分たちを裏切ったのだという意味を残す。その言葉は、証拠の完全な一覧や過去の作戦の詳細な報告として9Sに渡されるわけではない。A2はその場ですべてを説明して二人を自分の側に説得せず、去っていく。2Bと9Sは追うが捕まえられない。
二人に残った情報はかみ合わない。司令部はA2を排除すべき裏切り者と定める。A2は命令を下す側の裏切りを主張する。森で実際に見た彼女の行動には、小さな王をためらいなく破壊する残酷さがある。一方、同じような顔と戦闘技術を持つ兵士が、なぜ長く一人で生き延び、自分の組織を信じなくなったのかはまだ見えない。
地上へ初めて降りたとき、アネモネが2Bに示した反応も、この関係を振り返らせる。彼女にとって2Bの顔は、何の記憶も呼び起こさない新兵の顔というだけではなかった。アネモネはA2の過去につながる人物だ。ただし、森でA2が逃げた直後に全記録が自動的に開くのではない。後半、プレイヤーはA2としてアネモネと話し、キャンプの端末を調べることで、事情をさらに詳しく読める。
6. 後の記録につながる真珠湾の過去
ゲーム内の真珠湾降下作戦記録は、A2が一人で戦う前、仲間と任務に出た時間を描く。今A2と呼ばれる戦闘員は、実験部隊のアタッカー二号だった。隊長の一号を失った後に指揮を引き継ぎ、地上に残った仲間はアタッカー四号、ガンナー十六号、スキャナー二十一号だった。彼女たちはカアラ山の敵サーバーを破壊しに来たが、降下の段階から大きな損害を受け、増援もない状況にいた。
アネモネの最初の記録では、地上のレジスタンスを率いるのはローズである。彼女たちは戦闘中、見慣れない黒い服の兵士たちを見つける。仕掛けた爆薬で機械たちを処理した後、新兵たちに銃を向ける。人型機械が潜入したかもしれないという疑いと、先に武器を取る十六号の態度が衝突する。そこで二号が、生き残った者で任務を終える必要があり、今必要なのは敵ではなく仲間だとして争いを止める。最初から気楽に味方と認め合えた出会いではなかった。
一緒に進む中、十六号とダリアは言い争い、手合わせをしながら親しくなる。ローズは番号で呼び合う新兵に、任務が終わったら名前を付けると約束する。しかしアネモネはまだ簡単には信じられない。その間にリリィが論理ウイルスに感染して暴れ始め、アネモネはまた仲間を終わらせなければならない立場に置かれる。二十一号は諦めないよう促し、治療を試みる。二号と四号がリリィを押さえる間、アネモネは自分も一緒に押さえていると気づく。治療の成功は、不信を抱いていた相手が自分の家族を救おうとした経験として残る。
サーバーへの進撃では兵力が押し寄せ、支援要請も断られる。十六号、リリィ、ダリア、マーガレットは、ほかの者が進む時間を作るために後方へ残る。通常の武器が効かない大きな敵まで現れたその後衛戦は、自分の動力炉を爆発させる犠牲につながる。全員が同じ昇降機で最後の部屋へ行くのではない。生きて到着すべき仲間を送り出すため、前の道と後ろの道の者が分かれる。
昇降機がサーバーまで下りるには、誰かが外で操作しなければならない。二十一号がそれを引き受け、アネモネは異変を感じてそばに残る。スキャナーの目はすでに感染を示している。リリィを救った方法に敵が対処したため、今は自分を治療できなくなったのだ。二十一号は昇降機が目的地へ着くまで耐えようとする。後衛の爆発が響き、仲間を下へ送った後、アネモネは頼みに応じて二十一号の命を終える。誰かを救う技術を持った存在が、最後に自分までは救えない。
サーバー側では四号が自身の動力炉を暴走させ、敵施設を破壊する。残された記録はその行動を、二号を守るための選択とも記す。山を崩す爆発の後、機械たちは停止し、外に残ったアネモネは生きている。彼女は仲間が全員消えたと思い、生き残った自分を恨む。しかし実際には二号も生き延びており、その存在こそ今、森の城で会ったA2だ。二人の生存者は同じ喪失を、異なる場所で引き継いできた。
だが、その任務で兵士の生存は、上から約束された目的と同じ重さでは扱われなかった。実験機体の戦闘情報が集められ、予想よりはるかに厳しい条件に置かれた者たちが次々に消える。感染と犠牲が重なり、一緒に動いていた関係が崩れる。A2の機械への態度や、命令を疑う理由にはこの経験がある。今は傷んだ外見一つで現れる体の中に、一緒に生き残れなかった者の時間が残っている。
アネモネはその過去と現在をつなぐ生存者だ。ゲームでキャンプを率いる彼女をアニメのリリィに置き換えると、A2につながる人物関係も変わる。また舞台や漫画には、作戦の構成や生存者が異なる版がある。本連載で現在の2Bと9Sが会うのはゲーム版のアネモネであり、A2の言葉の背景もゲーム内記録を基準に続ける。
作戦概要は生存している二号のブラックボックス信号を確認しながら、救助よりも回収または処分を指示する。実験部隊の存在自体が機密だからだ。先に死んだ者の性格や戦いも、次のモデルのための資料として評価される。明るい性格で仲間をつないだ四号の傾向さえ、激戦では戦意を下げるとして、今後の戦闘モデルに不適格だと記される。誰かにとって家族となった時間が、上の記録では再利用するか捨てるデータとして処理される。
記録を知ると、森での短い返答には単なる挑発以上の意味が生まれる。A2にとって司令部は、自分と仲間を守る家になれなかった。ただし、その喪失が彼女の殺した赤ん坊の王や兵士たちの命をなかったことにはしない。失った関係を抱えて戦う存在が、別の共同体の保護する相手を壊す。森は機械の忠誠とアンドロイドの裏切りという二つの物語を、同じ王室で衝突させる。
2Bと9SはA2を逃したまま戻る。手配された者への疑問を抱いていても、次の命令を遂行しなければならない。王を失った森を通ってパスカルのもとへ戻ると地上調査は続き、ヨルハには別の戦線への支援も必要となる。二人が次に向かう水没都市では、また別の巨大な敵が二人の距離を引き裂く。そのとき2Bは、一緒に行動していた9Sの信号を探して一人で歩き回ることになる。
資料と確認範囲
Bルートの王国の過去、任意クエストの王への手紙、A2との戦闘、後半の端末記録を区別しました。真珠湾の三つの物語はゲーム内文書です。最初の降下人数はゲーム内でも回想文では十六名、作戦概要では十二名と異なるため、一つの数字には統一していません。外部小説のA2の独白、反復戦闘の回数、別の版の生存者は付け加えていません。AI補助による編集記事であり、原作の台詞・歌詞・小説本文は転載していません。資料確認:2026-10-18。
Pearl Harbor Descent Summary — NieR Wiki
Letter to the Forest King — NieR Wiki
Anemone: Encounter — NieR Wiki
Anemone: Understanding — NieR Wiki
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