要点
英語から日本語へのローカライズを専門とするゲーム翻訳者のnicolith氏は、『Mouthwashing』、『No, I'm not a Human』、『Arctic Eggs』といったインディータイトルの翻訳を通じてキャリアを築いてきました。2024年4月からはフリーランスのプロ翻訳者として活動し、パブリッシャーであるCRITICAL REFLEXと頻繁に協力しています。
同氏は、意訳に頼るのではなく、論理と構造的な整合性を重視してローカライズに取り組んでいます。伏線やキャラクターのインパクトなど、シーン内におけるテキストの具体的な機能を分析することで、原文の意図を維持することを目指しています。この手法では、英語の慣用句を日本語の同等表現に置き換えるといった一般的なローカライズの定型を避けることが多く、それによって原作特有の風味やモチーフを保っています。
nicolith氏の哲学は、テキストは孤立したものではなく、より大きな視聴覚体験の一部であるという考えを強調しています。文化的なニュアンスを扱う際、同氏はインディーの予算では実現が難しい完全な文化的翻案を強いるよりも、原作の設定のアイデンティティを維持することを好みます。このアプローチは、時に洋画を彷彿とさせるスタイルとして現れることもあります。
プロの翻訳者への転身は、『Hello Charlotte』や『She Vomited Guns』といったお気に入りのタイトルを日本のプレイヤーと共有したいという願いがきっかけでした。文学と語学への生涯にわたる情熱に影響を受けたnicolith氏は、翻訳を深く読み込み、慎重に執筆することで、すべての言葉がゲームの世界観の中で意図された目的を果たすようにするための厳格なプロセスであると考えています。


